2021年06月17日

コケ栽培:一般的注意点

コケを育てよう!
  コケを育てるのは,そんなに難しいことではありません.
  コケが嫌うことは止めて,コケが喜ぶことをしてやれば,OKです.
  コケを育てて,その美しさと逞しい生命力を楽しんでください!

  さて,コケも植物の仲間ですので,水が必要です.
  ただし,根がないので水分吸収の方法が,他の植物とはちょっと異なります.
  光合成のために光も必要ですが,陽を浴びて高温になるのは困ります.
  下記の「絶対禁止」に注意して,
  コケが喜ぶ水と光を掴んでください!
   
一般的注意点

コケに共通の絶対禁止事項
 濡れた状態で,蒸れたり,高温(30℃以上)にしてはイケナイ!
 だ,か,ら,直射日光の下での水やりは厳禁!!!
 (南向きや西向きの谷は,一般に,コケの生育が悪い!)
 (乾いた状態であれば,直射日光も,ある程度の高温も,耐えれる.
  ただし,タイ類の多くは,一旦乾くと死滅する)

最適状態:種類によって異なる!
     野外での生育環境(水と光)に,なるべく近い状態にすること!

水やり: 
 一般的不適事項:
   毎日,ジャブジャブと水やりしたり,水はけが悪いのはイケナイ!
    (次のことと関連する!!!)
   水道水はヨクナイ!(カルキなどいろんな物質を含んでいる:
    コケが乾くと,水分中に含まれている物質が,茎の先端に溜まり,
    成長を阻害する)
    屋久島の山中の川では,蒸留水に近い純度の水が流れている!
    (電気伝導度を測るとわかる!)
    だから,雨水(大気汚染がひどくなければ)がいい!
    または,源流の水(コケがたくさん生育しているところの!)がいい!
 
水やりの目安:
 (野外)朝の水やりで濡れて開いた葉が,午後には乾いて閉じる程度.
     濡れて開いている(光合成をしている)だけでなく,
     乾いて閉じている(休眠している)のも必要なようです.

 (室内)育て方(瓶内かどうか,透明カバーの有無など)によって
     いつ,どの程度の水やりをするかは,異なります.

     一般には,葉が乾いて閉じて,土も乾いていたら,
     容器ごと,ざばっと水につけて,水をきる.
     霧吹きでなら,コケも土もしっかり濡れるように.
   
湿度:種類によって異なりますが・・・湿土上に生育する種の場合:
  栽培場所や栽培容器内の湿度が(ある程度)高いほうがいいようです.
  (乾きやすいと水分中の物質が茎頂端に溜まりやすくなる)
  お寺のコケ庭など:手前に池(湿気がでる),その奥に築山,さらに
   土塀や生垣で囲み(風が抜けにくい;風通しが良いと乾きが早い),
   モミジなどの横に広がった枝が日陰を作り,湿気をおさえる.という
   イメージ!
  室内:ある程度,背の高い容器で,容器内の湿度が高くなるように.

光:
 コケには光が必要です!
 (ただし,直射日光の下に長時間放置して,高温になるのはダメ!)
 室内の明るさでは,コケには不十分!
 (光量が少ないと新しい茎が徒長する)

コケが弱ってきた?
 カビが生えてきたり,茎や葉の先端に何か白っぽいものが溜まってきた,
 そんな場合は,一度,鉢ごと,ざばっと水につけて,あるいは,雨にあてて,
 別の場所(より明るく,気温の高くならないところ,あまりにも高湿度に
 ならないように)に引っ越しさせましょう.

コケが乾いてしまった!
 たいていのコケは,乾いた状態であれば,1ヵ月ほど放置しても,
 (たぶん)大丈夫です!

枯れた?!:
 茶色くなって枯れたように見えても,たいていの場合,死んではいません!
 捨てないでください!!!

 コケは自分で動くことはできません.
 もし,別の場所に移されたら,その新しい環境に
 マッチした,新たな植物体を作り直すようです. 
 そのためには,一度枯れます!死んだふりをします!
 枯らしたところの物質を,新たな植物体となる新芽を
 作る場所に,せっせと,回しているようです.
(もちろん,あまりにも大きな環境変化にはついていけないようですが) 
 
 ですから,捨てないで!!!
 やや日陰になる,雨が当たるところに置いて,
 もし土が乾いていたら,水やりシャワーをして,様子を見てください.
 季節が変われば,春先か,初夏か,あるいは初秋に,新芽がでてきます!
 新芽は新緑!すぐ分かります.

 気長に見守ってください!新たな茎葉が密生して,コケの森になります.
 2年か3年もしたら・・・

posted by nishimura at 16:12| Comment(2) | コケを育てよう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月08日

コケ栽培:種ごとの注意点

オオカサゴケ
  野外での茎の伸び方(岡山県中部):
   3-4月:前年の茎から新芽がでて伸び始める
   7-8月:茎は立ち上がり,茎の先端に葉が出始める.
  (夏ごろより) 秋~初冬に向けて葉を大きくする. 
   12~2月:葉が大きく広がる
   (夏~冬:新緑が美しい,春:葉を大きく広げる)
  IMG_20210602_122354.jpg
(新緑の植物体:今年の春に伸び出たもの,
 濃緑:昨年伸び出て葉を広げたもの,
 茶褐色:昨春タネとして撒いたもの)

コウヤノマンネングサ
  野外での茎の伸び方(岡山県中部):
   7月頃:前年の茎の基部から新芽がでて,地中を横に這う.
   10~12月:地中を這っていた茎の先端が立ち上がり,地表に出て,伸長する
   4~7月:新しく伸び上がった茎の上部で枝を広げる
   (初夏~初秋:枝が広がり,緑が美しい)
 

IMG_20210527_144831.jpg
 (ガラス瓶内で保水材上に,今春,植え付け;
  瓶の蓋は外し,透明フィルム封筒でカバー,
  植え付けたものは枝先が茶色になってきたが,同時に,
  新しい茎が立ち上がってきて,枝を広げ始めている)

ヒノキゴケ
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  (新緑の植物体:今春,伸び出てきたもので,茎先端の葉はまだ広がっていない.
   濃緑~茶褐色のもの:昨年に伸び出たもの)  



ウマスギゴケ
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  (昨春の少し古い採集品を,昨秋,鉢に撒き並べた:
   茶褐色:種として撒き並べたもの,
   新緑の小さな新芽:今春,芽吹いたもの)

エゾスナゴケの生育状態:
      夜露に濡れて葉が開き,朝日があたって午前中の1-2時間で
      コケが乾いて葉がとじる;午後の日差しがきついときには
      乾ききっている.
      土はやや湿っているという程度.ずーっと水に濡れてはいない.

タマゴケ
シッポゴケ 
トヤマシノブゴケ
コスギゴケ
 
お問合せメルアド:okamoss2018●po.oninet.ne.jp (●を@に)
posted by nishimura at 14:48| Comment(0) | コケを育てよう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オカモスハウスのコケ

コケはどこでもOK!
(コケの様子をみながら,ちょっと工夫してみよう!
コケの種類を選んだり,陽当り具合や湿気の調整をしてみよう!)

 オカモスハウスの坪庭(陽当りは悪い,雨水は少ししか当たらない)
 IMG_20210602_122325.jpg

日陰を好むコツボゴケなどはOK!
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水辺を好むフロウソウは手水鉢の中で.
  IMG_20210602_122614.jpg

 オカモスハウスのベランダ(陽当り良く,雨もあたる,風通しがよい)
   陽当りが良すぎる→冬以外は,ベランダの上に寒冷紗をかけています
   風が抜けて乾きやすい→周りを寒冷紗などで囲んでます 
  IMG_20210526_120619.jpg
   手前はコウヤノマンネングサ,その次はササオカゴケ,
   そっから向うはスギバミズゴケ.


 湿気を好むコケには,鉢やプランターを受け皿などの上に置き,
 水分が下から上がるようにしています.
 なお,坪庭もベランダでも,好天が続いて,コケが乾いてきたら,
  水やり(水道水)をします.

posted by nishimura at 14:34| Comment(0) | コケを育てよう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月04日

コケの取説(奥津ベースのコケ)

奥津ベースのコケ 取説
A) 水やり: 保水材とOPカップによりあまり水やりしなくてもいいようにしています.コケや地面が乾いてきたら(OPカップ内に入れている場合は1か月に1回程度)水差しで鉢にそそぐ程度、その際、苔に直接より地面にそそぐのが好ましく、その後鉢を傾け水を切る。なるべくきれいな水(伏流水・井戸水など)が良い。水道水の場合は煮沸してカルキをとばして使用のこと!

B) OPカップ内面の曇り:OPカップの蓋に小さな穴が1つ開いています。しずくが溜まりますので軽く指で穴の横を押さえてしずくを取り除くと余分な水分でのOP内面の曇りが少なくなります。

C) 直射日光は避けて、カップ内が高温にならないようにしてください。コケの背が高く伸びた場合は形を整えるため剪定してください。

奥津ベースのコケ一覧

オオカサゴケ
1 ookasa.jpg
茎の先端付近で大きな葉を傘をひろげたようにつける.春から初夏にかけて,古い植物体から新しい茎をだし,立ち上がった新しい茎の上部で新緑の美しい葉を広げる。秋~初冬に向けて大きくなり,冬に成熟。
半日陰(木漏れ日),水はけがよくやや湿った土上。

コウヤノマンネングサ
2 kouyano.jpg
茎が5~10㎝程に立ち上がり,その上部で枝葉を広げる美蘚の代表。古い植物体から九月頃、新しい根茎が伸び出し,やがて立ち上がり,春~初夏に枝葉を広げる。
半日陰(木漏れ日),水はけがよくやや湿った土や腐植土上。

ウマスギゴケ
3 umasugi.jpg
スギゴケの仲間の中でも大型になる種でコケ庭に使われる。茎が伸びすぎると倒れるので,倒れたら根元のあたりで剪定する.残った植物体から新芽がでる。また,切りとった茎を撒いておくと新芽が出る。
水はけがよくやや湿った土上。やや陽当りがよい方がいいが,午前の半日程。西日は厳禁.

ヒノキゴケ
4 hinoki.jpg
別名,イタチノシッポ。フワフワした尾っぽのようになる.剪定後の茎葉より増える。また,
刈り取った茎を土に挿したり撒いたりしてもよい。
半日陰(木漏れ日),水はけがよくやや湿った土上。

タマゴケ
5 tama.jpg
剪定後の茎葉より増える。玉のような胞子嚢(胞子を作るところ)が人気.。石垣の間や岩や土の壁面上で,丸くてフワフワしたドーム型の美しい塊になる。
半日陰(木漏れ日),水はけがよい方がよい。

シッポゴケ
6 sippo.jpg
茎葉より増える。群生すると緑のじゅうたんのようになる。
半日陰(木漏れ日),水はけがよくやや湿った土や腐植土上。

ヤマトフデゴケ
7 yamatofude.jpg
茎の先端の葉が,手で撫でたり,箒ではくと,容易に脱落して,増えていく。群生するとビロード状になり,「ビロードゴケ」とも呼ばれることがある。
半日陰(木漏れ日),水はけがよくやや湿った土上。

コスギゴケ
8 kosugi.jpg
胞子と剪定後の茎葉より増える。葉が湿ると横に広がるため,群生すると、星の塊のようになる。
半日陰(木漏れ日),やや陽当りがよい方がいい。水はけがよくやや湿った土上。

トヤマシノブゴケ
9 toyama.jpg
茎が横に這い,多くの枝を広げる。胞子と剪定後の茎葉より増える。
※水分量と日光で色が変化する。
半日陰(木漏れ日),水はけがよくやや湿った土や腐植土,倒腐木の上。

※奥津ベースのコケは二か月以上製品管理していますので虫の発生はございませんのでご安心ください。

コケ栽培の一般的注意→ http://okamosshouse.seesaa.net/article/481899839.html
種ごとの注意点→ http://okamosshouse.seesaa.net/article/481899715.html


posted by nishimura at 13:25| Comment(0) | コケを育てよう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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