コケを育てるのは,そんなに難しいことではありません.
コケが嫌うことは止めて,コケが喜ぶことをしてやれば,OKです.
コケを育てて,その美しさと逞しい生命力を楽しんでください!
さて,コケも植物の仲間ですので,水が必要です.
ただし,根がないので水分吸収の方法が,他の植物とはちょっと異なります.
光合成のために光も必要ですが,陽を浴びて高温になるのは困ります.
下記の「絶対禁止」に注意して,
コケが喜ぶ水と光を掴んでください!
一般的注意点
コケに共通の絶対禁止事項:
濡れた状態で,蒸れたり,高温(30℃以上)にしてはイケナイ!
だ,か,ら,直射日光の下での水やりは厳禁!!!
(南向きや西向きの谷は,一般に,コケの生育が悪い!)
(乾いた状態であれば,直射日光も,ある程度の高温も,耐えれる.
ただし,タイ類の多くは,一旦乾くと死滅する)
最適状態:種類によって異なる!
野外での生育環境(水と光)に,なるべく近い状態にすること!
水やり:
一般的不適事項:
毎日,ジャブジャブと水やりしたり,水はけが悪いのはイケナイ!
(次のことと関連する!!!)
水道水はヨクナイ!(カルキなどいろんな物質を含んでいる:
コケが乾くと,水分中に含まれている物質が,茎の先端に溜まり,
成長を阻害する)
屋久島の山中の川では,蒸留水に近い純度の水が流れている!
(電気伝導度を測るとわかる!)
だから,雨水(大気汚染がひどくなければ)がいい!
または,源流の水(コケがたくさん生育しているところの!)がいい!
水やりの目安:
(野外)朝の水やりで濡れて開いた葉が,午後には乾いて閉じる程度.
濡れて開いている(光合成をしている)だけでなく,
乾いて閉じている(休眠している)のも必要なようです.
(室内)育て方(瓶内かどうか,透明カバーの有無など)によって
いつ,どの程度の水やりをするかは,異なります.
一般には,葉が乾いて閉じて,土も乾いていたら,
容器ごと,ざばっと水につけて,水をきる.
霧吹きでなら,コケも土もしっかり濡れるように.
湿度:種類によって異なりますが・・・湿土上に生育する種の場合:
栽培場所や栽培容器内の湿度が(ある程度)高いほうがいいようです.
(乾きやすいと水分中の物質が茎頂端に溜まりやすくなる)
お寺のコケ庭など:手前に池(湿気がでる),その奥に築山,さらに
土塀や生垣で囲み(風が抜けにくい;風通しが良いと乾きが早い),
モミジなどの横に広がった枝が日陰を作り,湿気をおさえる.という
イメージ!
室内:ある程度,背の高い容器で,容器内の湿度が高くなるように.
光:
コケには光が必要です!
(ただし,直射日光の下に長時間放置して,高温になるのはダメ!)
室内の明るさでは,コケには不十分!
(光量が少ないと新しい茎が徒長する)
コケが弱ってきた?
カビが生えてきたり,茎や葉の先端に何か白っぽいものが溜まってきた,
そんな場合は,一度,鉢ごと,ざばっと水につけて,あるいは,雨にあてて,
別の場所(より明るく,気温の高くならないところ,あまりにも高湿度に
ならないように)に引っ越しさせましょう.
コケが乾いてしまった!
たいていのコケは,乾いた状態であれば,1ヵ月ほど放置しても,
(たぶん)大丈夫です!
枯れた?!:
茶色くなって枯れたように見えても,たいていの場合,死んではいません!
捨てないでください!!!
コケは自分で動くことはできません.
もし,別の場所に移されたら,その新しい環境に
マッチした,新たな植物体を作り直すようです.
そのためには,一度枯れます!死んだふりをします!
枯らしたところの物質を,新たな植物体となる新芽を
作る場所に,せっせと,回しているようです.
(もちろん,あまりにも大きな環境変化にはついていけないようですが)
ですから,捨てないで!!!
やや日陰になる,雨が当たるところに置いて,
もし土が乾いていたら,水やりシャワーをして,様子を見てください.
季節が変われば,春先か,初夏か,あるいは初秋に,新芽がでてきます!
新芽は新緑!すぐ分かります.
気長に見守ってください!新たな茎葉が密生して,コケの森になります.
2年か3年もしたら・・・